第3650日【 いや、これではダメです 】

第3650日【 いや、これではダメです 】

みなさんこんばんは!

今日は、遺言書の作成をご依頼いただいた案件のお話です。

ご依頼者様はAさん(90代中盤)。

お一人でお住まいで、推定相続人は息子さんがお一人。

ただ、、、

残念ながら、Aさんと息子さんとは犬猿の仲。

少なくとも、Aさんの認識の中ではかなりの放蕩息子。

と、いうことで、Aさんは

「自分の財産は、自分の死後、全てを●●に全額寄付したい」

「一円たりとも息子には渡したくない」

と強く強く思っています。

ということで、Aさんは遺言書を書いておくことにしました。

そのため、ネットで探した東京の●●●士法人さんに依頼して、公正証書遺言を作成しました。

そう。

もう、「作成した」んです。

この時点では、死亡後の財産の寄付先が◉◉と△△の2箇所になっていたんです。

ただ、実はAさんの財産には不動産(現在住んでいるマンション)が含まれるため、その換価(売却)が必要であったりすることなどの事情から、◉◉と△△の2箇所とも、寄付の承諾に否定的。

この「否定的」であったことがわかったのが、

「遺言書を作成した後」

でした。

これは問題ですよね^^;

ということで、寄付先を別のところにしたいということで、遺言書の内容を変更する必要があることから、僕に依頼が来たというわけです。

本当は、先に公正証書を作成した●●●士法人さんに依頼しても良かったんでしょうけれど。

何せ東京にあるということで、細々としたご要望にはお応えできていなかったと見えて、Aさんから、別のところに依頼したい、というご要望が出て、今に至るという感じです。

まずは詳細を伺いに、Aさんのご自宅に伺い、先日作成されたという公正証書遺言を見せていただいたところ。

公正証書の主要な条文が、以下のようなものになっていました。

『遺言者は、遺言者の死亡時において、不動産を含むその他遺言書の有する一切の財産を、遺言執行者◆◆にて換価換金処分させた上、〜中略〜◉◉と△△に各2分の1の割合で遺贈する。』

一見、特に何の問題もないように思います。

一般的には、このように書くことが多いと思います。

ただ。

今回は、ちょっと問題が発生する可能性があります。

それは。

上記の条文の意味としては、Aさんが亡くなったら、Aさん名義の不動産を遺言執行者さんが売却してお金にしてから、預金などの他のお金と共に、◉◉と△△に半分ずつ寄付するんだ、ということですよね。

問題は、

『Aさん名義の不動産の遺言執行者さんが売却して』

という部分。

こういう場合、民法や不動産登記法の絡みで、この不動産の名義は

Aさん→息子さん→購入者

という流れになっていきます。

Aさんから息子さんへは

「相続」を理由とした所有権移転登記

息子さんから購入者へは、

「売買」を理由とした所有権移転登記

という流れになるはず。

この時、遺言執行者は息子さんの法定代理人という立場になって、手続きを一手に引き受けます。

ただ。

今回のAさんの強い要望がありましたよね。

「Aさんは、息子さんには一円たりとも渡したくない」

という部分です。

実際に、Aさんにこの流れをお話ししたところ、

「それは嫌だ」

とおっしゃいます。

嫌だと言われる以上、その方向性をこちらが勝手に推し進めるのは避ける必要があります。

と、なると、遺言書の通りに実行することができない可能性が非常に高いです。

ここに問題が発生するわけです。

(このほかにも、譲渡所得税の問題などにも気をつけなければいけないんですが。)

この、実行することが叶わない遺言書を作成してしまうリスクというのは本当に怖いですね。

今回は、事前に別の事情から変更する必要性ができたので、気づけました。

が。

これに気づけずに過ごしてしまっていたら、と思うと、士業の端くれとして背筋の凍る思い。

これを他山の石として、自分の仕事も慎重にしていきたいと思います。

今、新しく遺言書を作成するに際し、上記問題に対応するための方法論をご提案させていただいています。

その対応策は、また今度お話しできれば。

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今日も、朝6時過ぎから夜7時過ぎまで事務所につめっきりになっていたこともあり、夜はいつも通りのウォーキングとジョギング。

今日も歩きながらいつもこの時期に現れる蛍を探してみましたが、今日も0。

今年はどうしちゃったんだろう。

出てくる時期がずれているだけだといいんですが。。。

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この記事を書いた人

吉村 征一郎

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