第3691日【 『相続放棄』とは?(でるラジ連携)⑤ 】

第3691日【 『相続放棄』とは?(でるラジ連携)⑤ 】

みなさんこんばんは!

今日は、富山県行政書士会の企画研修部の部会が開催されました。

今期が始まってから、企画研修部の活動の中継地点として総会開催後、行動目標として掲げた事項がどのように進んでいるのか、また、各部員が派遣され、参加してきた各協議会などの状況などを報告する場。

僕としては、富山市空き家対策相談会に参加させていただいてきた、その状況の報告と、今後の活動方針の共有。

僕が傍で不動産業者をしているというバックグラウンドもあり、今後もこの相談会などは基本的には僕が中心として担当させていただくことになりました。

その相談会から何か仕事につながるということはあまり考えにくいですが、せっかく相談に来られたお客様の力になれればと思っています。

また、その際に「行政書士」というお仕事をアピールできたらいいな、なんて思っています。

さぁ今日で、でるラジ連携の『相続放棄』シリーズは終了としたいと思います。

『相続放棄』とは?(でるラジ連携)①はこちら

『相続放棄』とは?(でるラジ連携)②はこちら

『相続放棄』とは?(でるラジ連携)③はこちら

『相続放棄』とは?(でるラジ連携)④はこちら

今日は、よく質問がある

『相続放棄をしたら今住んでいる家はどうなるの?』

というポイント。

これを少しお話ししておきたいと思います。

いつも通り、「お父さんが亡くなって、奥様と長男、長女が相続人であるという場合」を考えてみましょう。

お父さん名義の土地と建物(自宅)に、家族で住んでいたとします。

住宅ローンもありますが、そのほかにお父さんには多額の借入金があったことがわかりました。

お父さんが自営業であり、業務上の融資の保証人などになっている場合だと、あり得るパターンですね。

この場合、「多額の借金」を相続するか、「自宅に住み続けるか」を天秤にかけることになりそうです。

というのも、今までは、

「お父さんの所有権」に基づく利用権限によって、一家で平和に住むことができていました。

住宅ローンはありますが、毎月の返済を無事に行なっている以上は追い出されたり(競売にかけられたり)はしませんからね。

お父さんが亡くなった以上、その不動産の所有権が相続にかかってきます。

もし、「多額の借金」を相続するのを避けるために、

『相続放棄』

をすると、その家の「所有権」を相続できないわけですから、

「住む権利」

だって当然なくなります。

また、その退去の際にも、注意が必要ですよ。

お父さんの遺品と思われるものを勝手に持ち出すようなことがあると、それが

「相続財産の受領・処分・隠匿」

と判断されて、相続放棄の効力が否定されかねません。

相続人が全員、相続放棄を行うと、借金の貸主が裁判所に、「相続財産清算人」という人(弁護士さんが選ばれることが大半)が選任されます。

その方から、明け渡しの要請を受けることになります。

その後、一般的には競売に処されたり、弁護士さんが直接買主を探したりして売買され、その売買代金が「借金」の返済金や弁護士さんの報酬として利用され、もし、余ることがあれば国庫に、という流れです。

最後にもう一つ。

相続人が全員、相続放棄をした後、先ほどお話をした「相続財産清算人」が選任されるまでの間のこと。

実は、相続財産清算人というのは、みなさんが相続放棄をすると自動的に選任されるわけではありません。

誰かが家庭裁判所に申請をしないと、いつまで経っても選任されないんですね。

その場合の、不動産の管理責任は誰か、ということ。

ちゃんと法律があります。

相続の放棄をした者による管理)第940条

  1. 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

 2.(略)

少し解読してみましょう。

「相続の放棄をした者」というのは、みなさんのことですね。

「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有していたとき」とは、被相続人が亡くなって、みなさんが放棄したまさにその時。その不動産に住んでいたり、鍵を持って管理していたりした場合は、という意味合いになります。

「相続人または第952条第1項の相続財産の精算人に対して当該財産を引き渡すまで」というのは、みなさんが相続放棄をしたことによって次の相続人になった人が相続をした場合、あるいは先ほどお話をした相続財産清算人が選任された場合に、そのどちらかに鍵を渡して不動産を引き渡すまで、ということ。

それまでの間は、「自己の財産におけるのと同一の注意を持って」というのは、みなさんは放棄をしたので、みなさんのものではないんですが、もしそれが自分のものであったとすればきちんと丁寧に扱いますよね。そのように管理しなければないけませんよ、という意味です。

その管理義務に違反すると、その「適切に管理をされていなかったことに起因する損害」の賠償義務が発生する可能性があります。

と。

長々とお話をしてきましたが、昨日も書いた気がしますが、、、

相続放棄って、奥が深いでしょ。

『放棄をしたほうがいいかな?』

と思ったら、まずは身近な専門家にご相談くださいね。

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この記事を書いた人

吉村 征一郎

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