第3155日【 相続放棄の話。 ざっくり。 ② 】

第3155日【 相続放棄の話。 ざっくり。 ② 】

みなさんこんばんは!

北陸では、大雪の警報が出、不要不急の外出は控えるようなそんなムード。

蓋を開いてみれば、雪は降ったもののびっくりするようなものでもなく。

ただ、明日以降も警戒はしないといけないかな、といった、そんな感じの1日でした。

いずれにしても、走りには出られないのでちょっと残念。

早く、実質的にも春になって欲しいな、と思いますね。

さて、今日も昨日の続きを。

昨日のブログはこちらをどうぞ。

<相続放棄の話。 ざっくり。 ①>

今回のお話は、下記のようなご家庭で相続が発生した場合を仮定しています。

3 相続人全員が相続放棄をすると、相続財産はどうなる?

今回、前回のブログでもお話をしたように、兄Fまで相続放棄を行なったとします。

と、すると、相続人が全員いなくなるわけですね。

こうなった場合、どうなるか。

これも、民法に書いてあります。

『相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。』(民法951条)

今回は、「相続人のあることが明らかでないとき」どころか、「相続人がいない」わけですから、「相続財産は法人」となります。

誰のものでもなくなって、「会社」のように扱われます。

ただこの会社みたいなもの。

構成しているのは財産だけなので、誰も管理も何もできません。

だって、社長がいませんからね。

じゃ、どうしようということで、

また出た民法。

『前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。』(民法952条)

この「相続財産の清算人」が、先ほど僕が「社長」と表現しましたが、その役割を担うことになります。

この社長、目標は相続財産法人の中身(つまり、相続財産)を清算し、各種手続を経て最終的には国庫に帰属させる、そういうお仕事をします。

だから、「相続人がいなかったら全部、国のものになる」という方がいるわけですね。

4 相続放棄をしたら、相続財産の管理はどうなる?

まず、そもそもの話。

相続放棄をする場合は、相続人の財産には一切手をつけてはいけません。

いろいろな事情があると思いますが、原則、そのように覚えてくださいね。

で。

一切、手をつけられないし、放棄する(した)わけだから、不動産なんかも含めて、そのまま放置でいいんでしょうか。

この辺り、気にされる方も多いのでは?

①相続が開始してから相続放棄または誰かが相続するまでの間

またもや、民法さんに登場していただきましょう。

『相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は(一部略)清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。』(民法940条第1項)

どういう意味かというと。

今回の事例で、被相続人Aが土地建物を持っていて、BとCが一緒に住んでいました。BとCは事情があって相続放棄をしましたが、現時点では未だ、その土地建物に居住している場合。これが「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」になります。

この時は、BとCは、相続放棄をしたから「自分のものじゃないし、適当に扱えばいいや」ということではなくて、「自分のものと同じように大切に扱わないといけないよ」という意味です。

つまり、管理責任が発生します。

ここでちょっとしたポイントとしては、「相続財産に属する財産を現に占有しているとき」と限定されていること。

つまり、BとCが相続放棄をしたため、次の段階でFとGが相続放棄をしたとします。この場合、FとGは別の場所で居住しており、Aの土地建物に荷物を置いているなどの事情もないようであれば、「相続財産に属する財産を現に占有しているとき」に該当しません。

と、すると、管理責任は発生しません。

(ただ、この辺りは細かい議論が出尽くしているわけではないので、もし皆さんがこういう立場になった際には、管理責任等に関しては専門家にご確認ください)

さてこの管理責任。

いつまで負わないといけないのかというのが、気になるところ。

先ほどの民法さんにもう一度ご登場いただきます。

『相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は(一部略)清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。』(民法940条第1項)

これを読むと、

「相続人又は(一部略)清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間」

っていう部分がありますね。

ここ。

もうここまでお付き合いいただいた皆さんはわかりますね。

①自分は放棄したとしても、他の相続人が放棄せず相続した場合は、その相続人に対して物件を引き渡すまで

②法定相続人の全員が放棄した場合、相続財産清算人が専任され、その相続財産清算人に物件を引き渡すまで

①または②のどちらかの時までは、管理責任を負うことになります。

と、なると、誰かが相続してくれるか、相続財産清算人が専任されるかするまで。

では、相続財産清算人はいつ専任されるんでしょうか。

そこから先は、長くなりましたし、また今度。

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今日は雪もあり、午前中は事務所で。

研修委員長として自分で設定した研修ですが、今回はe-ラーニングにしていたもので。

ちょうどいい!今日は研修日和だ!!

今回の研修は、借地に関して。

じっくり弁護士さんの講義を受けておりました。

こういう時期だと、e-ラーニングは便利だなぁ。

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吉村 征一郎

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